俺のココ、あいてるけど。
俺は言葉が出なかった。
彼女に何を聞かれても、どうしても答えることができなかった。
梅村綾はやっぱり俺の気持ちに気づいていたんだ。そして、モッサの気持ちにも・・・・。
だからわざと長澤を俺から遠ざけようとしたり、事あるごとにモッサを呼んだり。
そんなことを・・・・。
今までの梅村綾の行動が一つ一つ思い出されて、そのときの気持ちを考えると胸が痛んだ。
俺が思っていたより彼女は本気。
梅村綾は、顔をくしゃくしゃにして泣いてもなお、俺から目を離そうとはしない。
それが彼女の精一杯の想いで、本気だという証だった。
「綾、未来さんが羨ましいです。いつも登坂さんの心の中にいられて、想ってもらえて・・・・」
「・・・・ごめん」
「未来さんになりたいです・・・・。未来さんになれたらどんなにいいかって・・・・綾、いつも考えてて。でもできなくて・・・・」
「・・・・そうか」
「綾、こんな性格だから、未来さんにいっぱい意地悪もして・・・・。モッサ君とくっつけようとして、今日もわざと呼んだんです」