俺のココ、あいてるけど。
 
どうしたらいいんだろう・・・・。

あたしは綾ちゃんとでも平気だけど、登坂さんとモッサ君はあんまり相性がよくないみたいだし。

お互いを牽制し合っている・・・・なんとなくそんな気がするんだ。


すると・・・・ふわっ。

一気に傘が軽くなった。

そして、あれっ? と思う間もなくモッサ君の声が耳に入る。


「なんだ? もう帰りの相談?」

「ま、まぁ・・・・」


と、言葉を濁して苦笑いのあたしに反して綾ちゃんは・・・・。


「見て分かるでしょ? 綾、帰りは乗せられないの。そうだ!モッサ君、乗せてよ!」


さっきまでの静かな綾ちゃんはどこへやら、コロッといつもの調子に戻って強気の発言。

綾ちゃん、モッサ君には弱い部分を見せたくないのかな?


「そりゃ、綾ちゃんがそうしてほしいならいいけど・・・・」


そのモッサ君は、あたしに目配せをしながら慎重に言葉を選ぶ。

綾ちゃんの迫力に押されてしまって、たじたじという感じだった。


「じゃあ決まり!未来さんは登坂さんと一緒に乗ってください♪」
 

< 262 / 483 >

この作品をシェア

pagetop