俺のココ、あいてるけど。
 
『ありがとう。やっぱり誠治君、優しいね。今誠治君が恋してる人は、つき合ったらきっと幸せだと思うよ?』


歩美はそう言って少し笑った。

幸せ・・・・か。俺は長澤を幸せにしてやれるのかな。

麻紀のときみたいに寂しい思いをさせないといいんだけど・・・・。


「そうかな。だといいけど」

『そうだよ。最近ね、よく麻紀が言うんだ。“どうして誠治と別れちゃったんだろう”って』

「そう」

『私、何も言えなくて・・・・。状況が状況だけに、かなり落ちてるんだと思う』

「そうだろうな」

『うん。それでね、あんまり言うものだから、つい誠治君の力を借りたくなっちゃったんだ』


そこまで言うと、今度は歩美は深いため息をもらした。

親友の歩美でさえもどうにもできないってことか・・・・。

麻紀も辛いだろうが、そんな麻紀を支える歩美も相当辛いだろう。


「なぁ、歩美」

『ん?』

「さっきはああ言ったけど、もし麻紀さえよければ会って話すだけ話してみようか?」


俺は長澤が好き。

それは変わらない。
 

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