俺のココ、あいてるけど。
だから───・・。
『・・・・えっ?』
「構わないよ。お互いに嫌いになって別れたわけじゃないし、今の俺なら“友だち”として会える自信があるから」
『本当にいいの・・・・?』
「ああ」
だから俺は、2人の“友だち”として助けてやりたいと思った。
麻紀に未練はない。
今の俺には長澤だけ・・・・長澤以外は考えられない。
それでいいんだ、そう思った。
『ありがとう、誠治君。麻紀もきっと喜ぶよ。本当ありがとう』
歩美は何度も“ありがとう”と繰り返し、小さく鼻をすすった。
それから数日して再び歩美から連絡があり、麻紀も了解したとのことで会う日が決まった。
金曜日の午後9時半。
駅前の噴水広場の前が待ち合わせ場所に決まった。
麻紀は1人で来るという。
それまでの間、長澤を見るたびに“何も心配しなくていいから”と勝手に口が動きそうになった。
メモのことを気にしているようにも見えたが、俺の勘違い・・・・ひどくなると自意識過剰だ。
だから何も言わなかった。