俺のココ、あいてるけど。
◇未来side.*:・゚
───その日、あたしはモッサ君に誘われて久しぶりのカラオケに行っていた。
あたしに元気がないことを感じたのか、急な誘いだった。
断る理由もなかったあたしは、誘われるままにモッサ君の熱唱を聞き、また、あたし自身も胸の中のモヤモヤを追い払うように下手くそな歌を歌った。
そうして1時間、2時間・・・・。
フロントから「そろそろお時間ですが・・・・」というお決まりの電話がかかってきて、店を出ることになった。
その帰り道。
「なぁ、長澤・・・・あそこにいるの登坂さんじゃないか?」
モッサ君と久しぶりに会って、カラオケで騒いで・・・・。
一時でも登坂さんにまつわる不安を忘れていたあたしに、モッサ君のそんな言葉が届いた。
駅の近くのカラオケボックスに行っていたあたしたちは、噴水広場の前を横切ってモッサ君が車を停めたという駅前パーキングに向かう途中で。
その間、2人でしていた会話といえば「家まで送るよ」「悪いからいいよ」という、こちらもお決まりのパターンだった。