俺のココ、あいてるけど。
嘘の自分
◇未来side.*:・゚
「じゃあ俺は帰るけど、辛くなったら呼んで。すぐに行く」
「うん・・・・」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
そんな会話をしたのは、どれくらい経った頃だったろう・・・・。
モッサ君は無理やりな笑顔を作って、何度かあたしの頭をぽんぽんとして帰っていった。
あれからしばらく泣き止まなかったあたしは、モッサ君の腕の中でひたすらに泣きまくった。
スーツに皺ができるくらい強く背中にしがみついて、しゃくり上げる声をいっそう大きくして。
そうすると、汗ばんだモッサ君の手がぎこちなく頭を撫でる。
それは、お世辞にもうまい手つきだったとは言えないけど。
・・・・でも、モッサ君らしいな、なんて思ったんだ。
「待つよ、長澤の気持ちが俺に向くまで。でも、100年後とかはやめてくれよ? それまで生きてる自信ないから」
そんな冗談めかした台詞にも、節々にモッサ君らしさが出ていた。
ああ、あたしが納まる場所はここだったんだ・・・・。
そう思った。