俺のココ、あいてるけど。
 
本当に風邪を引いちゃう・・・・。

そう思った矢先、ぶるぶるっとまた悪寒が走って、いよいよ部屋に入らないとまずい雰囲気に。


───カン、カン、カン!


今度はちょっとだけ弾みをつけて階段を上がる。

さっきは重かった足取りも、雨に当たって冷えたことも手伝って意外なほどに軽かった。


早くお風呂に入って温まって、念のために風邪薬も飲んで、それからそれから・・・・。

そして、もうそんなふうに考えられる自分が妙におかしくて。


「はは・・・・」


なんだかよく分からないけど、いつの間にか笑っていた。





これでいいの。

これがいいの。

登坂さんは、初めから手の届くような人じゃなかったの・・・・。


これでいいの。

これがいいの。

想う恋より想ってもらう恋のほうが、女の子は幸せなの・・・・。





部屋に入って携帯を開くと、モッサ君からメールが届いていた。

それを読むと心がほんのり温かくなって、あたしはモッサ君を好きになれる───そう思ったんだ。
 

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