俺のココ、あいてるけど。
 
「ところでさ、映画終わったらちょっと行きたいところがあるんだけど、いい?」


コップの水を一口飲むと、モッサ君がテーブルの上で手を組みながら言った。

それはなんだか“決意”みたいなものが見え隠れしていて、あたしは一瞬どきりとした。

いよいよかな・・・・と、モッサ君の様子を見て密かに思う。


「いいよ。どこに行くの?」


あたしはなるべく自然な感じで会話を続けた。

今から緊張していることがばれるのは、ちょっと恥ずかしい。


「まだ秘密。あとのお楽しみ」

「え〜。ケチだなぁ」

「まぁまぁ。そのうち分かるよ」

「なんだかなぁ・・・・」


なんて言って話を弾ませようとしているけれど、本当は心臓がバクバクしている。

ごくっ。

緊張をほぐすために飲んだ水も、うまく喉を通ってくれなかった。


「お待たせいたしました。オムライスのお客様」

「あ、はい」


少しすると料理が運ばれてきて、あたしは緊張しながらオムライスを食べた。

モッサ君はランチセットのペペロンチーノだった。
 

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