俺のココ、あいてるけど。
これがあたしと彼───誠治との出会いだった。
初めて会ったその日に初めて泣き顔を見られて、そんな自分が悔しくてさらに泣いて。
彼の言葉に勝手に傷ついて、勝手に“怖い”と思い込んで・・・・。
最低なあたしを見せてしまった。
いつまでたっても“大人”になりきれない子どものままのあたし。
些細なことでよく泣くし、どうでもいいことでよく落ち込むし、振られるときはいつも“重い”と言われ続けてきた。
こんなあたしを必要としてくれる人がいるのかな。
恋人としても、
社会人としても・・・・。
「はぁ──・・」
あたしは、涙でぼやけた空を見上げてため息をついた。
「変わりたいなぁ・・・・」
もっと強くなりたい。
“これが長澤未来です”って胸を張って言えるようになりたい。
心からそう思った。