俺のココ、あいてるけど。
 
店の中に入ると、見覚えがあるような、ないような・・・・。

そんな店内が目に入った。


「あれ、ここって・・・・」

「うん、まぁ・・・・合コンのときに使ってたお洒落居酒屋」

「やっぱりそうだよね!なんか見覚えがあると思ったもん」


と、そこに店員さんが「いらっしゃいませ」とやってきた。

モッサ君が2人だと告げると、個室のほうへ案内される。

合コンのときは大人数用の広い席だったから、個室もあったなんて知らなかった。


個室はすでにほぼ埋まっていて、あたしたちで最後の様子。

気さくな店員さんは「ラッキーでしたね」と言って去っていった。


「悪いな・・・・。運転しながらいろいろ探したけど、結局知ってる店になっちゃって」


席につくと、開口一番モッサ君がそんなことを言った。

うなじの辺りをポリポリ掻いて、バツが悪そうな顔をして。


「ううん、ここの料理好きだし!あたしこそごめんね、一緒に探せばよかったね」

「いいよ、気にしなくて。でもよかった。車の中ではあんまりいい返事じゃなかったから」
 

< 360 / 483 >

この作品をシェア

pagetop