俺のココ、あいてるけど。
 
「あ・・・・うん。言ってきた」

「ふ〜ん。じゃあ、うまくいったんじゃん。よかったよかった」


メニューから顔を上げたモッサ君は、本当に嬉しそうな顔。

短い間でもつき合っていたのが嘘みたいに、言うなれば・・・・“友だちの顔”だった。


「でも、うまくいったというか、なんていうか・・・・ちょっと違う」

「違う?」

「うん。まだつき合ってない」

「えっ!? なんでまた・・・・」


モッサ君は、今度は呆れ顔。

“うーん”なんて唸りながら、何かぶつぶつ言っている。


「まぁいいや。とりあえず注文するから、長澤も新しいの頼む?」

「うん。じゃあ、カフェオレで」


モッサ君の反応は、当たり前と言ったら当たり前・・・・だよね。

今なら、あたしを想って振ってくれたんだって分かるから。

あたしは意地っ張りだから、ああでもしないと素直になれないと感じてしてくれたんだと思う。





「お待たせしました」


少しすると、モッサ君の前にはアメリカンが、あたしにはカフェオレが置かれた。
 

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