俺のココ、あいてるけど。

　
───･･･

──･･

─･


「それでも好きです、あたし」


それからしばらくして、また長澤が先に口を開いた。

そして、続けてこう言う。


「たった１つ、最後に残ったのがその気持ちでした。さっきモッサ君に背中を押されてきたんです。“突っ走れ!!”って」

「････」


俺、きっとどうかしている。

話さないといけないのは俺のほうなのに、長澤を前にすると言葉が泡のように消えてしまうんだ。

何も考えられなくなって、ただ聞くことしかできない････。

本当、情けないにも程がある。


「だから今、こうして登坂さんに会ってて、告白してて････」

「････」

「本当はもっとあとに言うつもりだったんですけど、気づいたら登坂さんの帰りを待ってて、今言わなきゃって思って････」


くそ、なんで何も言えないんだ。

どうしたら伝わる？

どうしたら分かってもらえる？

どうしたら、どうしたら････。


「あれ？　おかしいな、あたし、何を言っているんでしょうか」