俺のココ、あいてるけど。

　
お礼････？

何かくれるのかな。

そう思考を働かせていると、立ち上がった登坂さんがあたしの両肩にトンと手を置いた。

そして、えっ？　えっ？　と状況が飲み込めないまま───･･。










ちゅっ････。

と、あたしの唇を奪った。


すっぴんで、色気もない格好で、おまけに目もつぶれずで････。

そのくせ体は正直で、ほんの少し触れられただけで体の奧からじんじん痺れてくる。


「もうちょっと････いいよな」

「････はい」


そう言われれば“もっともっと”と欲が出て、今度は自分の意志で登坂さんのキスを受けとめた。

さっきより少し深いキスは、あのシチューの甘ったるい味がする。


そっと唇を離せば、照れたような登坂さんの顔が間近にあって。

きっとあたしも同じような顔をしているんだな、って思った。


「････泊まってってよ」


そんなふうに言われたら、あたしに断る理由なんて１つもない。

“はい”と返事をする代わりに、小さくコクンと頷いた。