俺のココ、あいてるけど。

朝の光と嘘

 
◇未来side.*:・゚



ゆらゆらと揺れるカーテンの隙間から温かい光がもれる。

ときおり見えるベランダの花も風に吹かれて気持ちよさそう。

外では車が走る音や子どもたちの賑やかな声・・・・。

“朝だな”と実感する。


───ピッピピ、ピッピピ・・・・


目覚まし時計も忙しく鳴って、あたしはいつものようにベッド脇の机に手を伸ばした。

でも・・・・。


「あれ?」


・・・・ない。

確か昨日は歓迎会で、途中で気持ち悪くなって登坂さんが送ってくれて・・・・えーっと。

えーっと、えーっと。


「・・・・どうしたんだっけ?」


どうしよう、何も覚えてない!

というか、なんだか体のあちこちが痛いんだけど、これって・・・・。


───ピッピピ、ピッピピ・・・・


また目覚まし時計が忙しく鳴りだして、今度は完全に目が覚めた。

起き上がって、今の状況を把握しようと部屋の中を見渡してみる。


「床って・・・・!なんで玄関!?」


一瞬で頭が真っ白になった。
 

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