俺のココ、あいてるけど。
 
◆誠治side.*:・゚



「───っと、よし、帰るか」


もうすぐ日付が変わろうかという午後11半過ぎ、俺はやっと今日の仕事を終えた。


「あ、麻紀に電話しねぇと」


そして、次に浮かぶのは恋人である麻紀の顔。

“仕事人間だ”とよく周りの人からは言われるが、実際の俺はそうでもない。

というか、彼女一筋だ。

今日はいつもより少し遅くなったから麻紀はきっと心配しているはずだ、早く帰って顔を見せてやらねぇと・・・・。

そう、すぐに彼女に頭が切り替わるくらい、麻紀一筋なんだ。


───プルルル、プルルル・・・・


耳に当てた携帯からは、愛しい人を呼ぶ愛のコール。

電話をするだけでこんなに気持ちがはやるなんて、本当に麻紀くらいなものだ。

それくらい、俺は麻紀が好きだ。


『・・・・もしもし』


5回目のコールで麻紀が電話に出た。こうしてコールの回数を数えるのも麻紀だけ。


「あ、俺。今仕事終わったから。部屋に着くのは12時くらいかな。もうちょい待ってな」

『うん』
 

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