俺のココ、あいてるけど。
そういう奴も嫌いじゃない。
ちょっと天然なくらいがつき合いやすいし、逆に完璧を求めすぎる人はわりと苦手だ。
“人間味がなくてつまらない”なんて思ってしまう。
「あ、登坂さん、店長がバックヤードに来てほしいそうですよ!」
すると、新人3人組の1人・・・・確か名前は安藤君が、休憩室にひょっこり顔を出す。
彼はなかなかの人気者で、パートのおばさんたちの密かなアイドル・・・・らしい。
いつだったか、長澤がそんなことを言っていたように思う。
「あぁ、サンキュ」
「はい!」
なるほど、明るい受け答えが心をつかむのか・・・・なんてことを思いつつ、店長のもとへ急いだ。
「店長、どうかしました?」
「ん〜、昨日俺は何か変なことをしなかったか? 記憶が・・・・」
バックヤードに入ると、店長が頭を抱えながら俺に聞く。
・・・・店長もか。
「いえ。長澤を“長澤ちゃん”なんて呼んで、延々と世間話につき合わせていただけですよ」
「あ〜、やってしまった。やっぱりか・・・・」