俺のココ、あいてるけど。
 
もしかしたらあの“噂話”が原因なんじゃ・・・・と思っていたけど、それもなんだか本当みたい。

あたしの言葉、態度、やっぱり気に入らなかったんだ。

だから・・・・。


「こんなことで倒れるなんて情けないなぁ。バカみたい・・・・」


そうつぶやくと、どうしてか涙が後から後から溢れてくる。

あたし、一体何に泣いているんだろう。・・・・それも分からない。


“正直”に“バカ”が付いてこんな目に遭うのはこれで何度目?

いい加減、学習したらいいのに。あたしも・・・・。





涙を必死にこらえていると、登坂さんが戻ってくる。


「長澤、先生な、あと少しかかるらし・・・・おい、どこか痛いのか? 倒れたときに打ったんじゃ」

「いえ、なんでもないです・・・・」


あたしはその言葉を遮った。

全部あたしが悪いの。これ以上、迷惑をかけたくない・・・・。


「お前、いい加減にしろよ。どれだけ頑張っても体は1つだ。倒れるくらいならどうして弱音の1つも吐かない? 最低だぞ、長澤」

「っ・・・・」
 

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