俺のココ、あいてるけど。
◆誠治side.*:・゚
「登坂さん、あの───・・」
それからの長澤の言葉は“やっぱりな”と思うのと“バカ正直にも程がある”と思うのと・・・・。
それから“ありがとう”だった。
長澤が倒れたという知らせを聞いて、気づけばバックヤードを飛び出していて。
その途中であんな声を聞いて。
でも今はとにかく長澤を・・・・そう思って到着した救急車に乗って病院まで来た。
長澤が倒れた原因は過労。
先生が言うには点滴が終わったら帰っていいそうだが・・・・。
「あなた、彼女の上司でしょう? 長澤さんに休みはきちんと取らせていますか?」
そう聞かれても、俺は何も答えられなかった。
気づいたのはついさっき・・・・店長に言われてから。
しかも俺は、そのとき“店長の勘違いじゃないか”とろくに気にもしなかった。
それがこんなことに・・・・。
「ごめんな、長澤・・・・」
俺はベッドに寝ている長澤の手をそっと握った。
倒れるまで気づいてやれなかった俺の責任だ。