俺のココ、あいてるけど。
 
麻紀の声は少し眠そうだった。

もしかしたら、疲れて先に休んでいたのかもしれない。

麻紀も忙しく仕事をこなしている身だ、自分の体のためにも無理して起きていることはない。


「いつもごめんな、麻紀。寂しい思いさせて・・・・。今日も疲れただろ? ゆっくり休んでな」


そんな麻紀に申し訳なさが先に立って、いつも俺はそう言うんだ。


『ううん、今日は待ってる』


だけど、今日に限って麻紀はそんなことを言う。

俺が仕事で遅くなったときは、いつも『ありがとね、誠治。じゃあお言葉に甘えて先に寝てるね』なんてかわいらしく言う麻紀。

少し引っかかる・・・・が。


「ありがとな。すぐに車飛ばして帰るから、あと30分待って!」


起きて待っていてくれることが嬉しくて、次にはそんな言葉が飛び出していた。

それに最近麻紀とは“ゴブサタ”だったりする俺。

今日は麻紀もその気だろうか? なんて考えると、どうしてもテンションが高くなる。


『うん、気をつけてね』

「分かってるって!じゃあ!」

『うん』
 

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