俺のココ、あいてるけど。
◇未来side.*:・゚
“楽になれ”
その言葉に甘えて、あたしは全部を言って楽になれた。
登坂さんには“気にしない、もう吹っ切れた”と言われたけど、それでもやっぱり気になって・・・・。
「でも・・・・」
思わず登坂さんを見上げていた。
傷つかないわけないよ。
自分のことも、好きだった彼女のことも、あんなふうな言い方をされて傷つかないわけない。
そう思ったから、登坂さんには無理をしてほしくなかった。
だけど・・・・。
「大丈夫だ。サンキューな」
そう言って、登坂さんは少し笑いながらあたしの頭に手を乗せた。
だからあたしは「いえ・・・・」としか言えなかった。
本当に大丈夫なのかな・・・・心配。
「コーヒーの恩か?」
そう聞かれればそうだけど、あのとき思ったのは“守りたい”という気持ち・・・・。
その気持ちに今も嘘はない。
「それもですけど・・・・登坂さんはあたしの指導係ですから」
だからあたしは、精一杯の笑顔を添えて答えた。