俺のココ、あいてるけど。
─・・
──・・・
───・・・・
「長澤、ごめんな・・・・」
そう言って、あたしの手を優しく包み込む登坂さん。
なんて温かい手をしているんだろう、なんて安らぐんだろう。
こんな手、今までに感じたことがないくらい・・・・。
「そういえば、麻紀の手はこんなに荒れていなかったな」
・・・・麻紀さん?
それが登坂さんが好きだった彼女の名前? 愛した人の名前?
「それにしても、ずいぶん小さな手だな。まるでガキだ」
・・・・あたしのこと?
それはひどいよ、登坂さん。あたしだって今年で23歳になるのにガキだなんて。
「でも───・・」
え? でも・・・・何?
教えてよ、登坂さん。
パチッ。
「・・・・ゆ、夢?」
「何の夢を見ていたんだ?」
「登坂さん・・・・!あ、あの・・・・」
「まぁいい。帰るぞ、長澤」
「・・・・」
あたし、夢を見ていたのかな。それにしてはすごくリアルだったんだけど・・・・。