俺のココ、あいてるけど。
その日、布団に潜ってもあたしはなかなか眠れなかった。
それはもちろん、さっきまで寝ていたせいもあるけど、それとはまた別にあった。
夢の続き・・・・「でも───・・」に続く言葉は何だったんだろう。
それをずっと考えてしまうんだ。
でも、どうしてだろう。
あのとき中途半端に目が覚めたことを除いても、どこか心に引っかかって落ち着かない。
「麻紀さん・・・・」
“麻紀”さん・・・・その人が登坂さんがつき合っていた彼女の名前。
そうなのかな。
「気になる・・・・」
夢で聞いた“麻紀”という名前、それも頭から離れなくてどこか落ち着かない。
考えだしたらきりがないことくらいあたしにも分かるんだ。
“夢だった”と答えを出せば全て納得がいくこと・・・・だって“夢”は“夢”でしかないんだから。
でも───・・。
どうしようもなく気になるこの心は一体どうすればいいんだろう。
簡単には忘れられそうにない。
あたしの手には、登坂さん温もりがまだかすかに残っていた。