俺のココ、あいてるけど。
 
あたしのほうが先にバイトを辞めることになって、それまではあいさつ程度しかしたことがなかったけど、最後の日に「長澤と一緒に働けてすげー楽しかった」って言ってくれたっけ。

それからどうなったかは知らなかったけど・・・・モッサ君もちゃんと社会人やってるんだね。

見違えた。





「あ、今“見違えた”とか思ったでしょ? 長澤って、考えてることがすぐに顔に出るタイプだもんな。当たり?」

「あ、はは・・・・ばれた?」

「まぁな」


モッサ君は得意気に笑う。

本当、見違えた。


あの頃は口ベタで、バイト仲間の間では“空気みたいな人”なんて言われていたのに今は正反対。

髪の毛も短くカットして、コンタクトに変えて、もう“モッサ君”の面影がなくなっている。

まさかこんなところで再会するなんて。世間って狭いなぁ・・・・。


「よかったら昼飯一緒にどう? 今日、俺1人で来たから話し相手がいなくて」

「うん。あたしも1人だから」


なんて思っていると、お昼ご飯のお誘い。嬉しくなってすぐにそう返事をした。
 

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