サイテー男とサイテー女
二年の終わりにたまたま駅であった



少し元気がなかったかもしれない


少し雑談をしたあと



彼女はおもむろに左腕をまくった




そこにあったのは…





腕全体に広がる赤い痕





リストカットだ







心が壊れちゃったの





友達はそう言った


この痕のことは仲のいい後輩数人と私しか知らないらしい



この頃はやめているらしく、大丈夫だと弱く笑った



私はこの後一緒に話すことを提案した



でも、友達は

このあと塾があるから

と断った



たった十分の電車での会話


心配だったけど、真面目な彼女はサボるなんてしなかった




彼女と駅で別れたあと


私はいつでもあなたの味方だから、なんかあったらメールでも電話でもなんでもしてね!

とメールした




けど、友達からは返事が返ってこなかった…





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