雪だるまとペガサス
「困り果てましたね。手掛かりが途絶えてしまいました」


「黒肌の羽馬、此処に真に来訪せし物でありましょうか?」


「サンファン山地やティトン山地辺りには姿を現したとの証言は得た。だがワサッチ山脈以降は黒羽馬は愚か、白雪花の噂すら聞かんな」


三人の物腰には焦燥感は感じられません。


でも声には若干の苛立ちが含まれていました。


「何か変わった出来事でもありませんかねえ」


「あったよ」
それまで黙っていた雪ダルマが突然話に参加します。
「夜、変な声がしたんだ」


「それは」
アニフが食いつきました。
「此の森での事ですよね?」


「うん」
快活な声です。
「皆が寝て少ししてからちょっとだけしたよ声」


「一人だけ起きてる奴を狙い打ちしてる、恐らくはそうだ」


「まあ恐ろしや」
ゴンにしがみつく白姫です。


「それでは手掛かりも途絶えた事です。その声の正体を見極めようではありませんか!」
張り切るアニフでした。


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