雪だるまとペガサス
そのお馬さんは、一切音をさせずに空中に現れて、雪ダルマの目前に降り立ちました。


鳥の翼を生やした、真っ白なお馬さんです。


辺りには誰もいません。


リッカお母さんもお家の中から出て来ないようですね。


立派な翼を生やした白いお馬さんは、人間には聞き取れない声で雪ダルマに話し掛けます。
「僭越ながらお迎えに上がりましたよ、ユキムラさん家の雪ダルマさん」


辺りは雪に包まれて、とても静かな満月の夜です。


お馬さんは名乗ります。
「私、アニフ・シュアト・マルガフ・アルゲニブ・マタル・ペガススⅦ世と申します」


月明かりに照らされた雪ダルマとお馬さんは、お互いを見つめ合います。
「長いからアニフで宜しいですよ、ユキムラさん家の雪ダルマさん」


その頃お家の中、寝室ではリッカお母さんがお布団に入っていました。


翼を生やした真っ白なお馬さん、アニフは唐突に切り出し、場を仕切るのです。
「早速ですがあなたは私と一緒に来て貰いますよ。さあ、私の背中にお乗りなさい」








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