夜にはココア朝にはミルクティを…

『お土産沢山買ってくるからね~!』
と、俺たちに文句を言う隙も与えずそそくさと出かけて行った。


「ママたちもなんにも言ってなかったのに」

真菜が不満そうに口を尖らせながら言う。



「絶対わざと言わなかったな。」

「うん」



うちの親も真菜の親も自由人。
連絡もなしに家に帰ってこないとか日常的にある。


まぁ、そのお陰で俺たちも自由に暮らしてるから不満はないんだけどな。


「今日から二人か~」

ガシャーン


音にびっくりして振り向くと
真菜の足元には粉々になったガラスが落ちている


「あ…ごめん」

「大丈夫か?!」

「うん。ちょっと手が滑っちゃって…」

「触るな!俺が片付けるからいいよ。」


片付けようとした動きを制止して近づく


「怪我はないか?」

「うん。大丈夫。ありがとう」


不自然に腕を後ろに回す腕を掴んで強引に流し台に連れていく


「指から血がでてる。なんで嘘つくんだよ。」


いつもそうだ。
俺に心配かけないように隠すんだよな…


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