夜にはココア朝にはミルクティを…

みたいな存在だ。

実際は妹じゃないし
血の繋がりもない。

真菜の親が海外にいる間
母同士が親友のウチで預かっている。

最初はあいつも両親と一緒に向こうに行ったが一年もしないうちに帰ってきた。

名字が同じなのは偶然らしく…本当の兄妹と思ってるやつも多い。
あえて否定もしないし。
いつからか真菜が『お兄ちゃん』って呼ぶようになってから尚更。

「お兄ちゃん。」

問いかけにふと我にかえる。

「朝ごはん食べる?」

「あぁ、少し。」

「じゃあ用意しとくから、髪の毛直してきて!」

嬉しそうに答えると俺を洗面所に追いやる。

うゎ…スゲー寝癖。
こりゃ、強敵だ。

鏡に映る自分の髪の毛に少し笑った。


リビングに戻った時には全て準備がされていた。

「時間ピッタリ。今出来たところ。」

共働きで忙しい両親に代わり食事は大体真菜が作る。

「毎回思うけど朝からフレンチトーストってヘビーじゃない?」

甘いものが苦手な俺は少し不満顔で訊ねる。
その事を知ってか知らずか

「朝、頭の中が冴えないお兄ちゃんの為に甘いもの作ってるんだよ。」

サラっと答える。

「はい、コーヒー。
今日から新学年だね。
気合い入れて行かなきゃ。」


朝イチのチョコレートは聞いた事はあるけど
イコール
甘いものって事にはならないと思うけどな。

反論すると後が怖いので俺はコーヒーと一緒に言葉を飲み込んだ。



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