夜にはココア朝にはミルクティを…


「お兄ちゃん早く!」

通学路。
少し先を急ぐ真菜が呼ぶ。

そんなに急がなくても…と思いつつ
早く行きたい気持ちもわかる。
新学年でクラス替えが気になるんだろう。

2年から3年へ上がる俺はクラス替えがないから関係ないんだけどね。

「新学期とか入学式っていつも雨の気がするけど今日は晴れて良かったね。」

いっこうに急がない俺を見て諦めたのか真菜が隣で歩き始めた。

朝の通学は俺と真菜と…

「智也!」

「あ、遼ちゃん、おはよ。」


西本遼(17)


俺の親友。の3人。

最初は真菜と2人だったんだけど
気が付いたら遼ちゃんも途中合流。
今は当たり前の風景だ。

「おはよう。真菜ちゃんもおはよう。」

爽やかな顔で笑いかける。

「…おはようございます。」

人見知りのせいなのか遼ちゃんが合流するといつも真菜は大人しくなる。

遼ちゃんだけじゃなく俺の知り合いの前ではパタリと口を開かなくなる。


…さっきまであんなに煩かったのに。


遼ちゃんもベラベラ話すタイプじゃないから
俺のオンステージのまま学校に到着した。





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