不思議な家のアリス


…ウジウジしててもしょうがない…。住む所を探さなくちゃ。



携帯で不動産会社の番号を調べる。


2~3回呼び出し音が鳴り、女の人が電話に出た。


『お電話ありがとうございます。●×不動産です。』

「もしもし?あの…今家を探していて…」

『はい、賃貸で宜しいですか?』

「はい…あの、未成年でも借りられる物件は…」

『失礼ですが、保証人様はいらっしゃいますか?』

「いえ…」

『申し訳ございませんが、保証人のいらっしゃらない未成年の方にご紹介できる物件はございません。では、失礼致します。』





…一方的に切られてしまった。

保証人かぁ。頼れる様な人は居ないし…どうしよう。


ふと、チラシが目に入った。


ダメ元で圭吾さんに頼んでみようかな…?もしかしたら、引き受けてくれるかも知れないし。



もう一度受話器を手にし、チラシを見ながらダイアルした。






『はい』

「あ…もしもし、有栖川ですけど…」

『あぁ、どうした?』

「あの…」


簡単に事情を説明し、保証人の件を伝える。


『ウチに来りゃ良いじゃねーか。女子高生が一人で暮らすなんか、危なくてしょーがねぇ』

「いや、でも…」

『遠慮すんな。部屋はもう空けといたし、大丈夫だから。』



…遠慮じゃないです。嫌なんです。

悪い人じゃ無いのは分かるけど、見ず知らずの若い男と一つ屋根の下で暮らす方が危ないと思うのは私だけなのか。


『ま、そうと決まれば善は急げだ。明日荷物取りに行くから。』

「えっ!?ちょ、まっ…!」


ツー…ツー…ツー…





切れてる…。何で皆こんな一方的に電話切るの!?礼儀を知れ!υ




急いで電話をかけなおしたが、話し中…。

キャッチ位付けとけよ!!



その後も何度かけても繋がることはなく、今日が終わってしまった。




私…どうなっちゃうの?


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