不思議な家のアリス


―そのまた翌日。




朝、圭吾さんから電話があった。
"今日荷物取りに行くから"って。




パパの荷物はとりあえず段ボールに分けて入れておいたけど、家具や生活用品等はそのまま。

何となくパパの荷物は捨てられなくて、どうするべきか妙案も浮かばず、もうそろそろ約束の時間だ。







―ピンポーン






きっと圭吾さんだな。



予想通り、ドアを開けると、この間の五人が立っていた。

皆手伝ってくれるんだ…。



「早速運んじまうな。」

「はい。お願いします」



皆手際よく段ボールに荷物を詰めて運んでいく。



圭吾さんに"部屋に一人残らなきゃ無用心だし"と言われたので、お言葉に甘えて私は雑巾がけを始めた。





何往復かした頃…



「あっ、故くんそれは…」



パパの荷物を故くんが持ったので、止めようと声をかけた……ら。物凄い形相で睨まれた。

何?何で?私何か悪いこと言った!?υ




「…俺を下の名前で呼ぶな」

「ご、ごめんなさい…」



馴れ馴れしかったかな…。怒られてしまったυ

今度から黒木君って呼ぶことにしよう…。




「…で、これが?」

「あ、それ、パパの荷物で…。どこに運ぶか決まってなくて。」

「貸し倉庫借りといた。」




…貸し倉庫?



そっか、その手があったか。

パパの荷物を倉庫に預けるのもちょっと気がひけるけど、捨てるよりマシだよね。


ていうか、倉庫なんか借りておいてくれたんだ…。




「ありがとう…」

「ん。」



皆素っ気ないし、さっきは怖かったけど、やっぱりいい人達だな。



よし。気を取り直して掃除再開!


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