不思議な家のアリス
―チン
バクバクする心臓を何とか落ち着かせていると、エレベーターが到着した。乗り込んで1階のボタンを押す。
「ね、ねぇ。いくつか質問して良い?」
「おー。」
興味無さ気に欠伸をしてる。ふてぶてしい奴め。
「圭吾さんの家って何処なの?」
「こっから車で20分ぐらい」
20分か…近くも遠くも無いな。学校方面だったら良いけど…反対だったらどうしよ。
「皆いくつなの?」
「じじいが20。俺が18。それ以外17。」
「?圭吾さんの方が3つ上なんじゃなかったの?」
「じじいは今年21。他は今年18。俺はもう誕生日来たからもう18。」
…成る程。て言うか20歳でじじいとか言われちゃってる圭吾さんて一体…。正直なところ確かに老け顔だとは思うけど。
エレベーターが一階に到着し、真ん前に止めてあった怪し気な黒塗りの車に乗り込んだ。後部座席にはテレビと布団。
「他に質問はー?」
「あ、皆普段何してる人なの?」
車が動き出す。
「じじいは一応社長。他は学生。」
「しゃ…社長!?υ」
「そ。」
春くんはしれっと頷く。
20歳で社長ってどういうことよ!?υ