不思議な家のアリス


待てよ、他は学生…?って事はハリーも学生…?今年18って事は高校生…?



「免許は!?!?υ」

「持ってんよー?」

な、何だ。それなら良かった…。

「単車なら。」

「………えぇええええええ!?υ」



私が驚くと、ハリーがドアロックをかけてスピードを上げた。



「い゙や゙ーーー!!!υお゙ーろ゙ーぢーでー!!!!」

「大丈夫だよ、ちゃんと運転してんだろ?」

「や゙ー!!!そぉゆー問題じゃないー!!υ」





無免許運転じゃん!!立派な犯罪じゃん!!何でこんなしれっとしてんのよこの男は!!υ







私がひたすら叫んでいると、やっと車が止まった。




「着い…」


―バチンッ!


「いい人達だと思ってたのに!!最低!!!こんなことして人でも跳ねたらどうすんのよ!?」

「ってぇ…」

「私の手も痛いんじゃボケナス!!」






…はっ。

私は何してんだ!?υ


余りにも頭にき過ぎて、思わず力一杯ビンタしてしまっていた。挙げ句の果てには暴言まで…。




…だけど、無免許運転なんて…絶対して欲しくなかった…。


だって…誰か跳ねちゃったらどうするの?



それでもし相手の人が亡くなったらどうするの?



遺族の悲しみを、私は今身を持って体験している。





そして、平謝りして立ちすくむ事故の相手の男を思い出した。



涙ながらに謝る男の人生も、事故をきっかけに変わってしまったに違いない。



そんな男を責める気にもなれず、行き場の無い怒りと悲しみだけが残った。




前々から交通ルールを守らない人は嫌いだったけど、パパを亡くした今…余計敏感になってるのかも知れない。


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