不思議な家のアリス
「アリセンもさ、いつも怒るとビンタすんだ、そうやって顔真っ赤にしながら。」
…知らなかった。
私の知ってるパパはいつも優しくて、寛大で。
怒られた記憶は小学生が最後だ。
「良い娘産んだな。きっとあいつも天国で喜んでるよ。」
…ハリー…。
嬉しいけど、思わずウルッと来そうだったけど…産んだのはパパじゃなくてママだよ…。
「よし、じゃ行くぞ。早いとこお前の部屋の荷物ほどかねぇと。」
「うん………ってえぇええええええ!?圭吾さん家、ここ!?!?」
「いちいちうるせぇなυ」
だって…だってだってだって、ここ、めちゃくちゃ立派な一軒家じゃないの!
居候させてもらうのって、実家だったワケ!?υ私菓子織りの一つも持って来てないんですけど!?υ
車を降り、慣れた足取りで家の敷地へと入るハリー。その後を私も追った。
―ガチャッ
玄関を開け、勝手に上がり込むハリー。これ…不法侵入じゃないの…?υ
て言うか…何この家。何で玄関こんなに広いの?何で廊下あんなに長いの?
「上がれよ。」
そして何であんたそんなに我が物顔なの?υ
「…お邪魔しまーす…」
とりあえず上がり込む。もしお家の人に怒られたら全部ハリーのせいにしよ。←