不思議な家のアリス


長い廊下を歩き、二階へと続いているであろう階段を上る…と。






「お?早かったじゃねぇか。」






そこには、起き抜けのような勇士くんの姿。


普段のオールバックとは違い、まだセットされていないらしいその髪には寝癖が付いている。


そして…何故かパンツ一丁だった。




「なっ!?なっ!?なんでパンツいっ…!?」

「ん?…あぁ、ワリ。こーゆーの慣れてないタチか?」




慣れてないも何も…あんた人様ん家をなにパンツ一丁でウロウロしてんのよ!?υ


私があたふたしていると、勇志くんがニヤッと妖しい笑みを浮かべた。



そして私の一段上まで階段を下りて、親指だけパンツの中に突っ込み、ゴムを伸ばしては離しペチペチと遊び始めた。



勇志くんの方が私より一段上に居るせいで、パンツが顔の目の前にある。




オマケにゴムを伸ばす度に恥骨が顔を出して、見慣れないその光景に、私の顔は湯気が出そうな位熱い。

…多分、耳まで真っ赤っ赤。





「ぶはっ!ゆでダコみてーになってんぞ!?お前さては貫通してねーだろ!?」




こ憎たらしくもゲラゲラ笑う勇志くん。


…貫通って…何が?


怪訝そうに眉をひそめて見せると、それを見た勇志くんがますますバカ笑いを始めた。


本当にもう、頭パッパラパーになっちゃったんじゃないか位な勢いで。




「バーカ!処女かって言ってんだよ!ま、聞くまでも無かったみてぇな。」




処…女…?


…はああああぁ!?




「最低!!」




精一杯怒りを込めて怒鳴ると、勇志くんがハリーに「図星だな、こりゃ。」とケラケラ笑いながら耳打ちした。



バッチリハッキリ聞こえてるわよ!!


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