不思議な家のアリス

やめて下さい、よして下さい。



居間に戻ると、バカ三人が真剣そうな顔で何やら話し合っていた。


いつも偉そうに背もたれによっかかっている彼らが珍しく前のめりになり、視線を落とすその先には…ホワイトボード?





「お、ちび太。ちょっとこれ見ろよ」




春に声をかけられてそれを見ると、"家事分担表"と書かれていた。


どうやらこの家ではこれに従い各々が家事をこなすらしい。




左から順に炊事・洗濯・掃除・風呂・王様・奴隷と書かれ、上から順に月・火...と言うように曜日が並んでいる。




…王様と奴隷って何?それ家事のくくりに入れて良いワケ?



て言うか私の名前多っ!υ




1、2、3...と数えてみるが、3バカの名前が4個づつ、黒木くんと圭吾さんの名前が6個づつ、私の名前が…11個。





「どう見ても不公平じゃない!考え直してよ!」

「バカ、よく見ろ。お前王様二回もあんだぞ?めちゃくちゃ優遇されてんだろーが。」


さも重大な事実を告げる様な顔で私を見る勇志くん。


「王様って何?」

「王様はな、一番偉いんだよ。」


秋夜がふん、と鼻を鳴らして威張って言うが、全然答えになってない。


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