不思議な家のアリス
―コンコン...コンコン....
返事は無い。
―コンコンコンコン....コココココココ.....ゴンゴンゴンゴン!!
激しくノックしてみるが、それでも返事は無い。
「入りますよー?入るよー?入っちゃうよー?」
―ガチャ
言いながらノブを回してドアを開けると、布団の中でヒザを抱え、丸くなって寝ている黒木くんの姿。
「おーい、起きてー?」
肩をつついてみたら、「ん゙~…」と寝返りをうちながら黒木くんがうめいた。
か、可愛い。
「起きなきゃ遅刻するよ~?おーきーろー」
調子にのってほっぺをツンツンしていたら、ふいに彼の手が私の腕を掴み、引き寄せられた。
「わっυ」
ベッドへ倒れる私をすかさず抱え込む黒木くん。
彼の両手は私の背中をしっかりと抱きしめ、私の目の前には裸の彼の胸。
腹筋が…!腹筋が色っぽい…!
スベスベなお肌にうっすらと入った線が何とも艶めかしい。
思わずゴクリ、と唾を飲み込んだ。
「あ、あのー…?朝何ですけどー…?」
きつく抱きしめられて胸元にある顔を何とかずらし、彼の顔を見上げた。
み、見なきゃよかった。。