不思議な家のアリス
そこには、すぴー…と可愛いらしい寝息をたてる黒木くんの寝顔。
長く伸びた睫毛も、半開きの口も、高く通った鼻も…全てが美しい。
心臓がバクバクと無い胸を揺らす。
ぴったりくっついた黒木くんに、伝わってしまいそうな位激しく。
「起きてー!υ」
このままでは、私の心臓が持たない!
ほっぺをペチペチと叩くと、「ん゙ー…。な…ぱっ…ご……」と黒木くんがウザったそうに顔をしかめた。
なぱごって…なぱごって何…?
て言うかこの人起きないよ!
どうしたら良いの?υ
息が苦しくなってきたので、何とか身をよじって枕元を目指す。
ちょっとづつ進み、やっと息が出来るとこまで来た……と、思ったら。。
私の腰にあった手が首元に回り、ますます強く抱きしめられた。
か、か、か、顔が近い!!υ
黒木くんの長い睫毛が私の頬に当たる位にまで詰まってしまった距離。
「ちょっ…υ起き…」
言いかけた所で、私の唇が塞がれた。
柔らかい感触。
目の前には、伏せられた彼の瞳。
「………ぎゃあぁああああー!」