不思議な家のアリス
赤い髪の男が親しげに声をかけた。
はっ。こいつの仲間か!υそれなら頷ける。
金髪「………ねみぃ。」
ピンク「お前早ぇな。」
オールバック「誰かさんが道間違えたんだよ。」
まとも「…お前ら、人様のお宅だ。静かにしろよ。」
一気に騒がしくなる室内。
不良達で一杯になる我が家のリビングはもはや"有栖川さんのお宅"ではない。
心なしか室温も上がった気がする。
彼等はまだべちゃくちゃべちゃくちゃと喋り続けている。
ここ、マンションなんですけど。。
壁、そんなに分厚く無いんですけど。。
完全に近所迷惑な彼ら。それでもおっかな過ぎて文句を言えずに縮こまっていたら…
「うるせぇ!!静かにしねぇか!!!」
…一見まともそうな彼が、私に代わり怒鳴った。
ドスの聞いた声で鼓膜が破けそう。
何とも言えない迫力…。
思わず私が「ごめんなさい!」なんて謝ってしまった。
一転、静まり返る室内。
「…ったく。線香あげに来たんだろうが。」
彼の一言で、静かに仏間に入って行くヤンキーご一行様。
一番落ち着いてるのに、すんごい威圧感。。
私はまだ怒鳴り声が耳から離れず、ますます縮こまる。