不思議な家のアリス


いやいや、縮こまってる場合じゃない。お茶だお茶。手厚くもてなさなければ。

麦茶で良いかな…?





「そんなんで良い訳ねぇだろーが。」


「ひぃ!ごめんなさい!緑茶ですか!?紅茶ですか!?コーヒーも有りますが!?」




ビクビクしながら振り返ると、まともな彼の言葉はピンク君に向けられたものだった。


「知らねぇよ、線香なんか立てたことねぇ。」





よ、良かった。

あんな人に怒られたら、恐怖の余り私の心臓は破裂してしまう。



何茶が良いのか悩んでいると、皆お線香をあげ終わったらしくリビングへ戻って来た。




「あの…麦茶で良いですか?」

「ああ、ありがとう。お構い無く。」




恐る恐る聞くと、まともな彼がニコッと微笑んでくれた。ホッと胸を撫で下ろす。




ていうか…冷静になって見ると、彼等は皆それぞれ物凄くカッコいい。



金髪の彼はちょっと中性的な綺麗な顔立ちで、どこか気だるそうなのがまた絵になるし、


ピンクの髪をツンツン立てた彼も、ちょっと意地悪そうな顔だけど、切れ長の鋭い目がカッコいい。


オールバックな彼も渋い感じでヒゲなんか生えてて…ワイルドな感じ。


一番まともな彼も大人っぽくて…まぁ実際大人なんだろうけど。とにかくカッコ良くて、何てったって存在感が半端ない。



とにかくみんな顔立ちが凄く良い。


もちろん、最初に出会った赤い髪の彼も。


< 8 / 68 >

この作品をシェア

pagetop