クローゼット
空虚
私、ナオはエスパーなんじゃないかと思っている。
『久しぶり。元気にしてる?美咲のことだからまた何か抱えてない?』
そんなメールが届いたのだ。私は驚いた。彼女は私がピンチの時、絶妙なタイミングでメールを送ってくる。
確かに今の私はナオの言う通り『何か』を抱えていた。
ここ2週間くらいかな。ずっと気分が落ち込んでいたのだ。仕事にも身が入らないし、誰とも話をしたくないような気分だった。友達からのメールも何通か放置していた気がする。
そんな自分にまた嫌気がさして自己嫌悪になったり、もう悪循環もいいところだった。
だけど周りの家族も友達も、いつも一緒の彼氏ですら私の異変には気付かなかった。気付いてはくれなかった。
いや、何も言わない私が悪いのだろう。
表面上の私は内面とは裏腹に嘘みたいに元気に見えたと思うから。
私には昔から変な癖がついていて、『明るい美咲』を演じる事が得意だった。だからいくら落ち込んでたって誰にも気付かれない自信がある。
だけどその内側ときたら必死だった。もがいてももがいても、苦しくて、溺れ死んでしまいそうだったのだ。
『だって話したって誰も理解してくれる訳ないじゃない』
それが私の心の中の口癖だった。
『久しぶり。元気にしてる?美咲のことだからまた何か抱えてない?』
そんなメールが届いたのだ。私は驚いた。彼女は私がピンチの時、絶妙なタイミングでメールを送ってくる。
確かに今の私はナオの言う通り『何か』を抱えていた。
ここ2週間くらいかな。ずっと気分が落ち込んでいたのだ。仕事にも身が入らないし、誰とも話をしたくないような気分だった。友達からのメールも何通か放置していた気がする。
そんな自分にまた嫌気がさして自己嫌悪になったり、もう悪循環もいいところだった。
だけど周りの家族も友達も、いつも一緒の彼氏ですら私の異変には気付かなかった。気付いてはくれなかった。
いや、何も言わない私が悪いのだろう。
表面上の私は内面とは裏腹に嘘みたいに元気に見えたと思うから。
私には昔から変な癖がついていて、『明るい美咲』を演じる事が得意だった。だからいくら落ち込んでたって誰にも気付かれない自信がある。
だけどその内側ときたら必死だった。もがいてももがいても、苦しくて、溺れ死んでしまいそうだったのだ。
『だって話したって誰も理解してくれる訳ないじゃない』
それが私の心の中の口癖だった。