組員C
山の一軒家ではあったが頼みもしないのに老婆の出してくれた食事の膳は、空腹の森川にはご馳走だった。
腹がいっぱいになってみれば、さっきは山姥のように見えた婆も愛想のよい田舎の年寄りに見える
「先ほどは失礼しました。あまりにも久しぶりのお客様でしたので。年寄り一人と髪もかまいませんで、お若い方は震えてしまわれましたかいなぁ」
ホッホホと笑う婆に森川は聞いた
「実はな、バァさん。オレは、しばらく下界に戻りたくないんだ。薪割りでも何でもするからょ、ここに居候出来ねえかなぁ」
老婆は、ニッコリして答えた
「こんなところでよろしければ喜んで、お泊めしましょう。なに、お手伝いなど無用の心配。ワタクシなは一人でやってきましたから」
ただし、と老婆は言った
「もうすぐに日が沈みしょう。ワタクシは部屋にこもって寝てしまいます。夜の間も好きにしていただいてよいですが、ワタクシの部屋には近寄らんでいただきたいのです」
朝が早いですでのぅと婆は、ホッホホと笑い、しばらくは森川の相手をしてくれたが都会では早い時間に婆は部屋へと引っ込んだ
腹がいっぱいになってみれば、さっきは山姥のように見えた婆も愛想のよい田舎の年寄りに見える
「先ほどは失礼しました。あまりにも久しぶりのお客様でしたので。年寄り一人と髪もかまいませんで、お若い方は震えてしまわれましたかいなぁ」
ホッホホと笑う婆に森川は聞いた
「実はな、バァさん。オレは、しばらく下界に戻りたくないんだ。薪割りでも何でもするからょ、ここに居候出来ねえかなぁ」
老婆は、ニッコリして答えた
「こんなところでよろしければ喜んで、お泊めしましょう。なに、お手伝いなど無用の心配。ワタクシなは一人でやってきましたから」
ただし、と老婆は言った
「もうすぐに日が沈みしょう。ワタクシは部屋にこもって寝てしまいます。夜の間も好きにしていただいてよいですが、ワタクシの部屋には近寄らんでいただきたいのです」
朝が早いですでのぅと婆は、ホッホホと笑い、しばらくは森川の相手をしてくれたが都会では早い時間に婆は部屋へと引っ込んだ