死のトランプGAME
「だめだ、わからない。」

黒い二つのトランプをベッドの上に置いた。

額に汗が浮かぶ。真夏の中、つけていた冷房のタイマーが気付けば切れていた。

二つに一つ。単純に考えると、ゲームの名前のとおり2分の1でしかないように思える。考えても仕方ないと思い始めた。

でも気になる事が無いわけではない。

まずルールの書いてある紙に”Old maid 予選ゲーム”と記してある事。

このゲームの攻略とは関係ないが、このゲームが予選である事、つまりこの先”本戦”があるということだ。

圭介はそんなことを考えながらも、二者択一の黒いトランプを手にとった。

すると、真っ黒である二つのトランプに違いがあった。


どちらもかなり注意して見ないと分からないが、片方のトランプはシールが表面全体に貼ってある。つまり、トランプのカドからシールを剥がすようになっている。


しかしもう一方の黒いトランプは、トランプより一回り内側に一周するよう切れ目が入っており、トランプより一回り小さいサイズでシールがめくれるようになっているようだ。

これにどんな意味があるのかわからないが、違いがあることに意味があるに違いない。
< 15 / 32 >

この作品をシェア

pagetop