死のトランプGAME

旅館

数時間前




圭介は車で山道を走っていた。

道路は綺麗に舗装されており、ガタガタゆれるわけではないが、カーブが続く山道で乗り心地がいいとは思えなかった。

「こっちであってるのかなぁ・・」

圭介は、運転しながら片手で”Old maid本戦”の日時と場所が記されているシールの裏を見た。


旅館 BT
8/12 14:00 本戦開始


旅館BTという、ネーミングセンスもあったもんじゃないと言いたくなる旅館っぽくない旅館名。
住所は記されていなかったが、ネットで検索すると一発だった。

そして、その旅館は山奥に位置し車でないといくことができない場所だった。
ちょっと前に買った中古で買った古臭い白い軽自動車で向かっている。

日時は50 percent joker Gameをクリアした2日後であった。

そしてしばらく走りつづけると、ネットで確認した旅館の場所へ辿り着いた。

草が生い茂っている中に、多数の車が無理やり停められてある。他の参加者も居るだろうと圭介は考えた。

他の参加者、で圭介は陽一のことをが頭に浮かんだ。2日前、陽一が圭介の部屋をでていったきり戻ってこなかったのだ。

つまり、ゲームをクリアしていないということになる。

圭介は陽一の心配をしながらも、あいているスペースに草をなぎ倒しながら車を停めた。

生い茂る草むらの中に一本の通り道ができている。

地面がまだみえないのでさほど人のとおりはよくないだろうが、確かに何かが通った跡がある。

圭介はその跡に沿って歩きつづけた。数分も経たなかっただろう。


ものすごく古びた大きな建物がみえてきた。
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