Milk teA KiiS
2人で学校を
抜け出し
近くのコンビニまで
隼人にアイス
奢ってもらって
食べながら
歩いていた
冷たい口当たりに
僅かに頭が
キーンでする感じ
少し肌寒くなるのは
冬が近づいてきた
証拠だろぅ
「紗罹ちゃんは
どっちが正しいかで
迷ってんの?」
シャリッという
自分が
アイスをかじる音
が耳に響く
隼人が
一瞬何を言ってる
のかわかんなくて
理解するのに
タイムラグがあった
それでも多分
さっきのこと
だろぅと
思った瞬間
心の中に黒い霏が
かかったみたいに
感じた
『そぉ..だね』
「そっか」
ゆっくり歩く
学校までの道のりが
なんだか
長く長く感じて
ずっとこのまま
歩くのかと
錯覚さえ覚える
言葉を交わして
いないのに
あれだけ夏は
うるさかった蝉の
声も聞こえない