Milk teA KiiS

「どっちが正しい
なんか俺も全く
検討つかないけど」

隼人は食べ終わった
アイスの棒を
空に投げた

回転しながら
落ちてきた棒は
アスファルトに
当たって小さな
音を立てる

「紗罹ちゃんが
選んだなら
きっとどっちも
間違いじゃないと
思う」

正しいかじゃなく

間違いじゃない

選ぶのはあたしだ

「後悔がない方を
選んだならそれは
正しい選択だよ」

あたしはなんで
正しい方を
選びたがって
いたのかな

正しいなんて
みんな
言い切れないのに

会うことが
間違ってるなんて
それこそ違うのに

隼人の言葉が
あたしの気持ちを
軽くしたのは
確かだった

あたしは
お父さんに

「会いたいって
思ったでしょ?」

言いたいことが
分かったのか

おどけたよぅな
言い方で
こっちを見る隼人

でもその表情は
すごく優しい

素直に
会いたいと思った

変わったあたし

変わっただろぅ父

会って話たいことは
本当はたくさんある

会っても
良いのかな?

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