Milk teA KiiS

『...良いのかな』

小さ過ぎて
消えてしまうくらい
の呟きは
確かに隼人に
届いたよぅだ

「良いんだよ」

選ぶ勇気も
無かった

隼人の後押しで
やっと決まった

会いに行く

『うん』

最後の1口を
食べ終わって
あたしも棒を
投げてみた

カツンと鳴る音が
なんだか軽快に
聞こえる

「俺の母ちゃん
俺が小さいときに
死んだんだ」

はっとして
隼人を見た

透牾から
聞いたことがある

隼人には
お父さんしか
いないって

詳しいことは
聞かなかったし
別に哀れむことも
無かった

でも亡くなって
たなんて

あたし随分
自己中な話を
したんじゃないか

「会いたいと思った
ときに会えるなら
ちゃんと会って
伝えたいことを
伝えておくべきだと
思うよ」

切なそぅな
悲しそぅな顔の隼人は
らしくない

『どんな...
お母さんだった?』

愚問だっただろぅか?

でもなんとなく
お母さんのこと
好きなんだろぅな
って感じたから

「あんま覚えてねぇ
けどすげぇ
優しかった」

優しく笑う隼人だけど
なんだかこっちの
胸が締め付けられる
よぅで

でも隼人はそれを
自分の壁だとは
思ってないのが
よく分かる

『隼人の中で
お母さんはちゃんと
生きてるんだね』

幸せな人だ

あえてそぅ言った
あたしが
笑ったら

隼人は一瞬こっちを
見て

「そぉかもな」

と優しく笑った

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