Milk teA KiiS
『お店良いの?』
「この時間
暇だから
休憩もらった」
わざわざ
時間を割いてまで
来なくても良いのに
そぅ思ってはいるが
今日はその優しさが
素直に嬉しい
結局舞奈海や
透牾に話きっかけを
つくれないまま
今日をむかえたから
知ってるのは
今隣にいてくれる
隼人だけ
こんなことを
望んではいなく
話を聞いてくれる
だけで良かったのに
こぅゆぅ時ばっか
紳士っぽく
振る舞うんだもん
本当に敵わない
雨の音と
あたしの靴が鳴らす
ヒールの音
会話もそこそこに
10分ほど
歩けば街に
辿り着いた
天気が悪いからか
人はそんなに
多くはない
大通りを歩けば
すぐ父との待ち合わせ
である喫茶店に
辿り着いた
『ここで良いよ』
「うん」
『ありがとう』
御礼を言って
扉に手をかけた時
「紗羅ちゃん」
と呼ばれ
振り替える
「終わったら
うちの店おいで」
うまい料理
作ってやるから
そぅ言って
隼人は笑った
『うん』
戻る場所を
与えてくれる隼人
その言葉に
素直に頷いた
隼人らしいや
「いってらっしゃい」
隼人のその言葉を
背中に受け
あたしは扉を
開いた