Milk teA KiiS

「で?紗羅の気持ちは
あたしの予想と
一致してますか?」

悪戯っ子みたく
笑う舞奈海

でもやっぱりどこか
優しい

『そぅだね...
あたし隼人が
好きだ』

本当に自然に
口から出た言葉
だった

たった2文字は
口にすれば
すごく単純

なのに初めて
使う単語みたく

慣れないせいで
違和感がある

好きって何?

今だその疑問は
あたしの中に
あるけど

舞奈海にも
透牾にも
家族にも
友達にも

感じたことのない
気持ち

隼人にだけ
向いている思い

多分
これが好きって
気持ちなんだ

気付いてしまえば
あたしの胸が
音を立てはじめ

体中の熱が
一気に上昇して
いくのが分かる

「良かった」

『ん?』

赤くなっているで
あろぅ顔を隠すよぅに
舞奈海の視線から
逃げた

「紗羅が好きに
なった人が隼人で
良かった
あいつ意外に
良い奴だしね」

舞奈海が
彼氏の透牾以外の
男を褒めるのも
初めて聞いた

『そぅ...だね』

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