Milk teA KiiS
「やっと来た」
「おせぇぞお前ら」
あたしたちが
来たことに気付いた
2人は
軽く振り返る
随分不機嫌な顔を
してる透牾は
結構前からここで
待っていたみたい
隼人はいくら
待たされても
嫌な顔しない人だけど
透牾は待たされるの
嫌いだからね
「ごめんごめ~ん」
そぅ言いながら
透牾の隣に
腰を降ろす舞奈海
歩きながら
タバコを取り出し
火を着けたあたしは
隼人の隣に
つっ立ったまま
フェンスの向こうに
広がる景色を
眺めていた
「ったく」
舞奈海が来ると
なんだかんだ言って
機嫌が直る透牾
全く仲良しなんだか
なんなんだか
端から見てれば
羨ましいカップル
そのものだ
「紗-羅-ちゃん!」
呼ばれた声に
軽く下を向けば
隼人が笑って
こっちを見ていた
『なに?』
「ステージ発表
凄かったよ」
『見てたんだ』
ステージから
見えてたくせに
白い煙りを
吐き出しながら
平然と
そぅ答えるあたし
なんだ
意外に普通に
喋れるんじゃん
そぅ思いながら
また煙りを肺に
送り込む